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コラム vol.222-5
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特集:中小企業の為の不動産戦略~基礎編 第5回目~ ビジネスのライフサイクルと企業の不動産戦略

公開日:2017/12/25

加速する企業のCREマネジメント

本特集内で何度もお伝えして来ましたが、日本企業のCRE活用の取り組みは、大企業、中小企業問わず活発になってきています。
以前からCREを上手く活用して収益をあげている先進的な企業は、より活発なCREマネジメントを強化し、またこれまであまりCREに関心のなかった企業も、取り組み始めています。

その背景にはいくつかの理由があると思います。
多額のキャシュを抱えて、その活用を不動産関連で行う企業が増えています。モノ言う株主が増えて、内部留保で抱え込むよりも、そのお金で不動産関連投資を行うことでより多くの株主還元を要求するということも増えています。
あるいは、保有する不動産の有効活用を行い、収益向上を狙う事例も多く見られます。
これら、2つのパターンは内部で抱えるキャシュの活用、現有する不動産の活用ということで、「すでにあるものの活用」ということになります。
かつての、本業が不動産関連ではない企業が、銀行から資金を借りて不動産投資を行うというような事例は、最近はそれほど大きくなく、「あるものを上手く活用する」という形が、現在では多くの企業におけるCRE戦略のスタンスのようです。

産業のライフサイクルと不動産活用

しかし、企業の中には今述べた「あるものを活用する」スタンスのほかに、もう一つCRE戦略を行う際の思惑があるようです。
その代表例として、(1)「産業のライフサイクル」に対するセーフティーネット、あるいは、(2)新たな分野に進出する際の重要な資源としての役割。つまり、どちらも「いつまでも、優位な状況は続かない」ということに対する不動産資源の活用ということになります。

産業にはライフサイクルがあります。いまは華やかなビジネスでも例えば数十年経つと、すっかりそのビジネスは色あせてきて、業界の上位企業のみが大きな収益をあげて、他の多くの同業他社は厳しい状況に置かれてしまう、といったことはよくあることです。ビジネスはどんどん進化していきます。かつては、20~30年間は成長~成熟期と呼ばれる期間がありましたが、情報が容易に入手できる昨今ではその期間は10~15年に半減しているともいわれています。

産業のライフサイクル

上図は産業のライフサイクルを図式化したものです。

この図にあるように、一定年数が経てば、産業は徐々に衰退期を迎えてきます。こうした時には、新たな事業領域に転換して企業は永続化を図ろうとしますが、その転換は容易ではなく、また転換には多少の期間がかかります。その間に不動産収入(賃料収入)があれば、セーフティーネットとしての役割を、収益を生みだす不動産が果たしてくれます。これは、大企業あるいは中小企業といった区別なく、大きな役割を果たしてくれます。

このように、現在のような好景気で企業の収益性が高い時に収益不動産を所有しておけば、「いざ」という時に役立つものなのになります。

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土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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