大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2023

バックオフィスのデジタル化

IT基盤の維持管理・改善に対する取り組み

フルクラウド化

フルクラウド化の背景

当社では、自社運営でのインフラ構築に関して、次のような課題がありました。

  1. 保守サポートの終了や老朽化によりシステムをリプレースする際の費用負担
  2. リース満了となる5年先のキャパシティに合わせた不確実なリソース計画
  3. 自社運営による運用保守(障害対応など)に関わる担当者の肉体的・精神的な負担

上記内容を解決するため、2006年よりプライベートクラウドにシステムの移行を開始し、2014年にフルクラウド化を実現しました。

ハイブリッドクラウド・パブリッククラウド採用

当初はプライベートクラウドが主流でしたが、各種クラウドサービスの提供が始まり、プライベートクラウドに比べるとコストも安くリソースの追加が柔軟にできることから、ハイブリッドクラウドの利用を2014年に開始しました。またハイブリッドクラウドよりコストが安くさまざまな標準サービスを兼ね備えたパブリッククラウドの利用も、一部テスト的に2016年から開始しました。

2022年度の取り組み

パブリッククラウドであるMicrosoft Azureを活用し、大規模システムの構築(DX系の取り組み)や社内システムの構築を行いました。

今後の展開

プライベートクラウドから順次脱却を目指します。パブリッククラウドであるMicrosoft Azureの利用を進め、システムによってはあらかじめ用意されたサービスを利用するSaaS(*1)、PaaS(*2)へ移行していきます。(図1)

図1:クラウド活用事例(軌跡と将来像)

(*1)SaaS(Software as a Service):クラウドサーバにあるソフトウェアをインターネットを経由して利用できるサービス
(*2)PaaS(Platform as a Service):クラウドサーバにあるプラットフォームが利用できるサービス

クラウドの価値

クラウドを活用することにより、メーカーおよびベンダーによるシステムの安定稼働を実現し、社員の運用負荷を軽減しました。サーバスペックに関しても、スケールアップ・スケールアウトに柔軟に対応できるため、費用対効果の高い運用が可能になりました。(図2)

図2:クラウドの価値

モバイルインフラ環境およびネットワーク環境の改善に関する取り組み

取り組みの全体像

従来のモバイルアクセス環境は閉域LTEを使用した方式でしたが、「ゼットスケーラー」を導入し、自宅のインターネットや安全なWi-Fi環境から安心して社内インフラを利用できる環境を構築しました。(図3)(図4)

図3:従来のモバイル環境

図4:見直し後のモバイル環境

また、インターネット上に存在するSaaSシステムの利用増加にともなう社内ネットワークの通信量増加に耐えられるように、事業所のネットワークインフラ(ローカルブレイクアウト)の構築を行いました。(図5)(図6)

図5:従来の事業所のネットワーク環境

図6:見直し後の事業所のネットワーク環境

事業所のWi-Fi環境改善の取り組み

「ゼットスケーラー」を利用した、ローカルブレイクアウト環境を導入したが、現場からはTeamsの通信が途切れる等、想定していたレスポンスの改善には至りませんでした。
現場に調査をした結果下記原因が発覚しました。

  1. 無線のアクセスポイントが古くて、Wi-Fi6に対応していないのでレスポンスが出ない
  2. 各事業所のスイッチが100Mbpsなので、レスポンスが出ない

上記問題を解決するため、無線のアクセスポイントのWi-Fi6化と、事業所のスイッチのギガ化を全国事業所に実施をしました。(図7)(図8)

図7:従来の事業所のネットワーク環境

図8:見直し後の事業所のネットワーク環境

2022年度の取り組み

2022年度の取り組みとして、「ゼットスケーラー」を利用した事業所からのWi-Fi環境に近い、ローカルブレイクアウト環境の適用範囲を展示場・出張所・現場事務所へ拡大して実施しました。

また、利用するネットワークは無線が主流となったため、無線Wi-Fi機器の機能増強を図るべく、Wi-Fi6対応機器への入れ替えを本社・支社・支店にて実施し、より安定したネットワーク環境を構築しました。

今後の展開

昨今の業務変革のスピードや建設DXを支えていくには、クラウドサービスをはじめ、その環境の利用を前提としたシステムとサービスを積極的に導入することが必須と考えられます。今後は、クラウドサービスやクラウド環境のメリットを最大限に享受できるよう、当社グループのクラウドネイティブ環境の構築を進めていきます。また、ネットワーク環境については「ゼットスケーラー」の導入により、いつでもどこでも安全・安心に社内接続ができる環境を整えました。来る5Gのサービスが普及した際には、通信のパフォーマンスを最大限発揮できるインフラ基盤の環境整備につなげていきます。

本社 情報システム部
情報技術管理グループ
グループ長 櫻井 直樹

働き方の変革を支えるインフラ環境

今回の施策として、将来のネットワークの環境が5Gになった場合、インターネットを通じて仕事ができるように、2025年採用に向けてPoC(コンセプト検証)の実施に取り組んできました。さらに、コロナ禍において社員が安全・安心に業務を遂行でき、企業活動を存続するために必要な環境として前倒しで実施しました。これらの取り組みにより今回初めて、インフラが従業員の「安全」、「安心」、「生命」を守る武器になったことを実感しています。また昨今の業務変革のスピードに耐えられるクラウドサービスを中心とした、当社グループのクラウドネイティブ環境の実現と、今後も従業員から信頼されるインフラ基盤を構築していきたいと思います。

※ Azureは、Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Zscalerは、米国および他の国々で登録された、Zscaler Inc.の商標です。
※ Googleは、Google LLC の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※ Microsoft Teamsは、Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Office 365は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標または登録商標です。

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