大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2023

DX推進を支える組織体制

スポーツクラブNAS

目的、ビジョン

スポーツクラブNASでは、デジタル化で「業務の省力・省人化」、DXで「マーケティング改革」を推進します。

当社ではお客さまとの各種手続きや情報管理の多くを書面で行っています。サービスが多様化するなか、それら手続きの種類と量は年々増加傾向にあり、個人情報など重要な情報が記載された書面の管理にも多くの時間を要し、従業員の業務を圧迫しています。また、社内の各種申請も書面での記入・捺印が多く従業員の負担となっていました。デジタル化の目的は、それら定型業務の省力・省人化を図り、そこから生まれる時間や余力をお客さまへのサービスにさらに充当し、顧客満足度を高めることにあります。

次にDXについて。会員制であるスポーツクラブでは、いかに多くの方に入会いただき、利用を継続していただけるかがビジネスの肝となっています。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や小型ジムの急増により、マーケットの状況が一変し、新規入会者の減少および競合店舗への移籍など、我々のビジネスの土台部分に関わる問題が生じています。これまでの経験に頼る感覚的な広告販促や接客サービスでは限界があり、DXによってマーケティングの多くの部分を自動化・効率化し、データや実績に基づいた合理的な接客サービスを推し進めます。

デジタル化とDXを効果的に導入・活用し、「入会していただき、満足していただき、長く利用していただく」というスポーツクラブ事業の根幹を再整備してまいります。

取り組みの全体像

デジタル化とDX、それぞれ手法は異なりますが、目指すゴールは同じです。

デジタル化は「省力・省人化により従業員の余力を高め、お客さまの満足度アップに注力できる環境をつくる」。DXは「マーケティングの自動化・効率化で一人でも多くの方に入会していただき、データや実績に基づく接客サービスで1日でも長く利用してもらう」。

すべてはお客さまのためであり、市場の変化で揺らいでいるスポーツクラブ事業の根幹を再整備するためのものです。

そのゴールへの指針を全従業員で共有し、さまざまな施策や取り組みを包括的に進めていきます。

図1:デジタル化およびDXによる事業根幹の再整備

昨今の主な取り組み

社内の各種申請においては、申請・決裁・発注・経理処理などを一元管理するシステムを開発し、書面による申請を廃止しました。また、申請から経理処理まで多重に行う申請作業では、入力情報が引き継がれ、不足情報のみを追加入力すればよい仕様にし、申請業務の負担を軽減しました。

紙ファイルの管理台帳26種類のうち使用頻度の高い「忘れ物管理台帳」、「返金管理台帳」など9種類をタブレットで行えるようシステム化した「業務管理タブレット」を開発し、業務の効率化とペーパレス化を実現しました。

会員がスマートフォンで自身のチェックイン履歴や利用頻度、店舗からのお知らせが閲覧できる機能と、各種手続きがスマートフォンで完結できる機能を併せ持つ「会員マイページ」を開発。一部リリース前の機能もありますが、2023年4月にはスクール会員へ、2023年10月にはクラブ会員の皆様へリリース。手続き業務の省人化と手続書類やお知らせのお手紙などのペーパレス化を実現しました。

効果、今後の展開

サスティナブルな環境構築を目標とし、まず当面のデジタル化やDXにおける効果は「従業員の業務効率化」、「ペーパレス化」、「会員証やプラファイルなどのプラスチック利用量の削減」、「お客さまの利便性・CSの向上による会員数の増加」を見込んでいます。また、それらを土台として収益改善を図り、「会員や地域の皆さまにさまざまな形で還元を行う」ことを視野に入れています。

今後の展開として、開発した各種システムを細分化し、2023~2024年度にかけ段階的に店舗へリリースしていきます。現在、DXを見据えた各種システム開発作業は終盤を迎えており、すでに導入可能な新システムが数多く待機している状況です。今すぐにでも活用したいところですが、店舗への導入は通常営業を行いながらになるため一朝一夕にはいきません。これまでのオペレーションを刷新したり、お客さまへのご案内も当然必要になります。店舗に負担を強いることなく、導入が円滑に進むよう、開発した新システムを細分化し、段階的にリリースすることが最善策と考えています。

それにより、お客さまの利便性・CSを徐々に高めていく一方、従業員の会員管理・台帳管理に関わる業務量を60%以上削減し、年間約110,000部使用している帳票類、年間約3,000,000部使用しているコピー用紙、年間約100,000枚製作している会員証(プラスチック製)などの使用量も大幅に削減していきます。

お客さまの「仲間」になることが我々の使命。デジタル化・DXをその追い風に

我々が取り組むデジタル化・DXでは「従業員のバックヤードでの業務時間を減らし、お客さまとの接客時間を増やす」ことを第一の目標としています。また、商品・サービスのレベルを向上するには、継続的な研究・研修が必要で、そのための時間を確保するためにも業務の省力・省人化は極めて重要ととらえています。

スポーツクラブが会員を増加させるには、とりわけ入会初期における習慣化が不可欠です。毎朝歩こうと決意しても習慣化できず、挫折した経験をされた方は多いと思います。私も運動習慣や趣味が確立できない人間の一人ですが、友人との定期的な飲み会は習慣化されています。それは「仲間」の存在があればこそで、スポーツクラブ事業においては、従業員がお客さまに「仲間」と認めていただくことが我々の使命だと考えています。

入会初期において習慣化できたお客さまはその後従業員の手を離れ、自然と他のお客さまとつながっていきます。そしてスポーツクラブNASを大切なコミュニティとして位置づけ、人生においてなくてはならない存在として長いお付き合いが続きます。そのようなお客さまを増やすことが、事業の成功は元より、地域の皆さまへの還元につながるものと信じています。

デジタル化・DX推進の風潮はその追い風であり、会社の未来を見定め取り組むべき事案であると考えます。

管理本部 総務統括部 統括部長 齊藤 豊

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