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CASE20 医療施設 林病院(徳島県徳島市)

どんな患者さまも引受け、あらゆる治療を実践。高い医療対応力で、長年に渡って地域から選ばれ続ける病院。

スピーディな事業展開で生じたハード面の課題解決と機能強化に向け、新病院の移転・新築を決断。

事業展開

1984年、徳島市南部の住宅団地の一画に、19床の診療所を構えたことから林病院さまの歩みは始まりました。以来、“どんな患者さまでも、どんな治療でも対応し、決して断らない”を信条に、主に地域の高度急性期病院の退院患者さまを受け入れる後方支援病院として、重要な役割を担ってこられた同院。その貢献度は高く、開設当初から多くの支持を集めておられます。

また事業展開においては、1986年の医療法の第一次改正の施行(病床規制)を見据えて、開設の半年後には50床、その1年半後には95床へと増床されるなど、初期段階からスピーディに計画を実践されたのも、同院の大きな特徴として挙げられます。その後、施設基準への対応から現在の80床(医療療養病床)となりましたが、そもそも病院建物のベースは19床の診療所。増床の度に行われた増改築工事は、スペース確保のため、隣接する理事長の自宅を解体したほどです。しかし、それでも十分ではなく、前面道路を挟んだ別敷地に事務棟を建設したり、職員用の駐車場として病院から離れた空地を借地したりなど、都度苦労を重ねてこられました。

こうして長年、地域医療を支えてきた病院建物も築25年以上が経過。進む老朽化や使い勝手の向上への対応を検討するも、多くの入院患者さまを抱えたままの改修工事では難しいことから、“近い将来の移転新築”を構想されるようになりました。

しかし、ここで大きな課題となったのが建設地の確保です。患者さまの利便性や他の医療機関との関係性を考慮すれば、旧病院から1~2km圏内の敷地が林病院さまの希望でした。さらに、病院としての機能性を向上させるためにも、これまで分散していた事務棟などの施設も一つにまとめる必要があり、ある程度の広さが必要です。この段階で、相談を受けた大和ハウス工業では、担当者が付近をくまなく調査。幾つかの候補地の中から、旧病院から直線距離で約500mの距離にある敷地(約1,800坪)が新病院建設に最も適していると考えました。

林病院さまには、当該地が災害時に浸水の危険性が低い高台にある点にも魅力を感じていただき、計画は本格化するかと思われたのですが、また新たな課題が生まれます。実はこの敷地は、企業の所有地で体育館の跡地として遊休地化していたものの、売却の予定はないとのことでした。大和ハウス工業では、実に2年半の歳月を費やして粘り強く交渉を重ね、ようやく売買に至ったのです。

施設計画にあたっては、林病院さまから「病棟以外の機能をすべてワンフロアにまとめ、作業の効率化を図りたい」「シルエットや意匠に工夫を加え、従来の病院のイメージを一新する建物にしたい」というコンセプトを提示されました。これを受けて当社は、1病棟40床を2・3階にそれぞれ配置し、その他の機能を1階部分にまとめた3階建ての新病院をご提案しました。

こうして2019年6月、構想から実に5年あまりの歳月をかけ、林病院さまの新病院が完成しました。延床面積3,721.19m²の3階建ての建物は、2・3階の病棟を十字型に設計したことで、独特の雰囲気を持つ外観に仕上がりました。もちろん、内装も意匠や質感にこだわり明るく開放感あふれる屋内空間を実現しています。1階は、機能毎に必要とされるスペースの配置を最大限に配慮し、患者さまとスタッフそれぞれが機能的に移動できる動線設計を施しました。また、旧病院の事務棟にあった院内保育所も新病院内に移転。さらに、新たに介護事業の通所リハビリテーションを併設。今後の事業展開に、大きな意味を持つ事業となることが期待されます。

十字型に設計した2・3階の病棟(各40床)は、中央部にスタッフステーションを配置することで、すべての病室への見通しが良く、重度の患者さまを受け入れるケースの多い同院にとって、効果的なレイアウトとなっています。

林理事長の救急救命医としての豊富な経験を活かし、“断らず、すべて受け入れる精神”で、長年に渡り地域の高度急性期医療を支えるという重要な役割を担ってきた林病院さま。新病院の建設計画に加え、事業承継についても方向性が定まった2017年には医療法人化も果たされました。今後も、患者さまのみならず他の医療機関からも“選ばれ、頼りになる病院”として、長く地域に貢献されることでしょう。

課題

THEME-1
機能性の高い働きやすい環境の病院にしたい
旧病院は、開設当初より限られた敷地内で増改築を重ねてきた。そのため、一つの建物にすべての機能を備えることができず、別敷地に事務棟を建設したため、移動に手間や時間がかかっていた。また、病院自体も老朽化が進むとともに、廊下幅は療養環境加算への対応ができず、経営面でも課題となっていた。
THEME-2
旧病院所在地での新病院建設は不可能だった
旧病院には多くの患者さま(医療療養病床80床)が入院され、重度の患者さまも多い。敷地に余剰地がなく建て替えや改修工事は難しい。移転を検討する上では患者さまの利便性や近隣の医療機関との関係から、限られた範囲内で建設地を探さなければならなかった。
THEME-3
退院患者さまへのケアを手厚くしたい
従来から医療リハビリテーションに力を入れていたが、介護事業がなかったため、介護を必要とする退院患者さまは外部の施設のサービスを利用していた。患者さまのためにも経営面からも、介護事業のリハビリテーション機能を強化する必要があった。

計画のポイント

POINT-1
療養環境と職場環境と究めた新病院を移転・新築
2・3階に計80床の病棟、1階部分にその他すべての機能を効率的に集約した新病院を建設。患者さまとスタッフの動線にこだわり、全体の意匠にも工夫を凝らした上質な建物に仕上がりました。
POINT-2
多くの希望を満たす建設地を確保
旧病院から直線距離で約500mの場所にある企業の遊休地(約1,800坪)を選定。粘り強い交渉の末、売買に至りました。当該地は、水害の恐れが少ない高台に位置しており、公共性が高い医療機関としてBCP(事業継続計画)対策にも有効だといえます。
POINT-3
新たに通所リハビリテーションを併設
新病院には、旧病院の約1.8倍のスペースを持つ医療リハビリテーションルームを設置。さらに介護事業の通所リハビリテーションを新たに併設したことで、患者さまへの永続的なケアの実現が期待されます。

CASE20

医療施設 林病院

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