北海道札幌市において幅広く、医療・介護・高齢者住宅事業の運営をされているのが小笠原クリニックグループさま。グループは、3つの医療法人と、MS法人で構成されており、それぞれが急性期・回復期・慢性期・在宅復帰と異なる機能を持ち運営されている点が大きな特徴です。急性期病院では、「あきらめない医療」・「病人をつくらない予防医療」の理念のもと、地域の基幹病院として先端医療を実践。また、慢性期病院には、急性期の後方支援機能を持たせ、在宅復帰先として老健や高齢者住宅を運営。一人の患者さまに対する“医療の切れ目”を無くし、地域包括ケアの実践を目指されています。現在、グループ全体で3病院・5診療所・介護施設7施設・高齢者住宅等7施設。ベッド総数は1,000床を超えています。
2016年6月、「札幌ススキノ病院」はグループ内病院の移転建て替えにより開設。グループ内で、主に慢性期医療の機能を持つ医療法人大空(おおぞら)さまの運営となります。札幌市中央区すすきの地区に建設された12階建の建物には、内科・外科・リハビリテーション科・人工透析内科を持つ病院(一般病棟50床・人工透析30床)を1~5階部分に配し、さらに6~11階には住宅型有料老人ホーム「ファミリードクターズホーム6・8」(全182室)を併設されました。このような高層の高齢者住宅は、札幌市内でも例がないものとなっています。
今回、札幌市内でも特に利便性の高い立地に、高層の建物として新たな医療・介護の複合施設を開設されたのには、大きく二つの意図があります。
一つ目は、「地域特性への対応」です。特に雪が積もる冬場など、移動にも大きな負担がかかる地域だけに、病院と住宅・介護施設をスムーズに行き来できることが、医療と介護の効率的な連携をとるために最も重要なポイントとなります。
二つ目は、さまざまな医療機関の集まる札幌市の中心部に位置し、グループ内の急性期病院はもちろん、他の医療機関との「連携がとりやすい」ことです。移動距離や時間を短くすることで、患者さまの負担を大きく抑えることが可能となり、週3回治療に通わなければならない透析患者さまにとって、この「通いやすい立地」は大きな魅力です。
さらに、有料老人ホームの入居者さまにとっては「病院の上に住むという安心感」を提供でき、医療依存度の高い方も積極的に受け入れ、“できるだけ少ない負担で入居してもらいたい”という思いから、利用料金も可能な限り抑えた設定としています。
CASE11
医療施設 札幌ススキノ病院/高齢者住宅 ファミリードクターズホーム6・8