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コラム No.53-47

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戦略的な地域活性化の取り組み(47)公民連携による国土強靭化の取り組み【9】不動産証券化による地域資産の流動化

公開日:2022/03/31

国は、2021年に新たな国家戦略である「デジタル田園都市国家構想」を発表し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を基盤として、地方圏の持続可能な経済発展(sustainability)と生活の豊かさ(well-being)を推進する構想の実現に向けた議論が活発化しています。

デジタル人材育成と確保の重要性

デジタル田園都市を実現するには、通信インフラ等の基盤整備も重要ですが、DX戦略を推進するデジタル人材の育成や確保も必要です。2021年12月の経済産業省第2回実践的な学びの場ワーキンググループの資料「デジタル人材育成プラットフォームの検討について」によれば、日本のデジタル競争力は64カ国中28位、そのうち人材/デジタル・技術スキルでは62位と大きく低迷しており(出典:IMD世界デジタル競争力ランキング2021)、デジタル人材の不足がDX推進の大きな障害となっていることが分かります。デジタル人材といっても、IT事業を企画推進するエンジニアやITスペシャリストだけではありません。デジタル技術や応用分野を理解し、組織のデジタル化戦略を企画・推進する人材(ビジネス・アーキテクト)の育成と、デジタル化戦略を理解し実践する組織全体のデジタルリテラシーの底上げが必要です。人材が豊富な大企業や都市部の中堅企業では、既に対応しているケースが多いと考えられますが、地方自治体や中小企業、教育機関等においては、独自に戦略的なDXを推進することは簡単ではありません。そこで経済産業省では、全てのビジネスパーソンに求められるデジタルリテラシーと専門的なデジタル知識の学習機会の提供と共に、組織においてDX活動を牽引し、新たな付加価値の創造と業務効率化を実現できる実践的なDX推進人材の育成手法を確立する目的で、「デジタル人材育成プラットフォーム」(ポータルサイト)の構築を提唱しています。これは、産学官が連携して同一基盤上にデジタル人材に必要な標準化された学習コンテンツを整備することで、社会全体のデジタルスキル標準のレベルアップを図るという取り組みです。いわば、デジタルスキルを持つ人材と、スキルを必要とする企業のマッチングサイトを構築し、デジタルスキルのエコシステムを創出していこうという試みです。

ハブ機能としての地方情報拠点の必要性

国としての通信基盤や人材育成プラットフォームの構築・整備は、デジタル田園都市国家構想として重要な施策ですが、一方で、多様な地域課題を解決し地域の生産性、豊かさを向上させるためには、産学官連携でデジタル化を推進する住民参加型の地域コミュニティを醸成することも必要です。利用者の許諾意思(オプトイン)を前提に、地域のさまざまなデータを集約した地域オープンデータを構築・運営し地域で共有する、いわゆるスマートシティ化を推進することが求められます。近年では、企業のサテライトオフィスを誘致して成功している徳島県神山町、IT系大学を中核とした地域デジタルプラットフォームを構築している福島県会津若松市、観光地としてワーケーションを提案しIT企業の誘致を進めている和歌山県白浜町など、地域特性を生かした住民参加型の情報拠点整備事例が見られます。また、広島県尾道市における「おのみちサテライトオフィス誘致事業」のように、市が所有する公共施設を賃貸し、県外のクリエイティブ企業のサテライトオフィス向けに改修・運営するといった、自治体が所有する遊休資産の再活用による地域活性化拠点づくりの取り組みも注目されています。

地方の遊休不動産再活用が地域活性化を牽引

2021年7月の国土交通省資料「持続可能な地方創生に資する不動産証券化」によれば、国内不動産資産は約2847兆円であり、法人所有不動産の約520兆円に対して公的不動産は約980兆円となっています。
また、公的不動産のうち地方公共団体所有不動産は約653兆円となっており、地方における公的不動産の再利活用が地域開発のカギを握っています。しかし、自治体単独では財源やノウハウが十分でないことが多く、民間セクターとの協業が不可欠であるため、サウンディング型市場調査など、自治体が複数の民間事業者のアイデアを取り入れ、運営者による自由度の高い長期運営が可能なPFI方式を採用する事例など、公民連携での多様な開発手法や制度が用いられています。また、不動産投資信託(Jリート)や、不動産クラウドファンディング(複数の投資家から小口の資金を集めて、その資金で不動産投資を行い、そこから得られた収益を分配する仕組み)で、不動産を運営する「不動産特定共同事業」、「小規模不動産特定共同事業」など、不動産証券化によって地域公的不動産の流動化を図る取り組みも増えています。 デジタル田園都市国家構想においても、地域における産官学が協働するデジタル化推進拠点の創出に対して、このような手法や制度を活用することが期待されます。

地域資源や財源、人材が限られた中で、どのようにして住民参加型の公民連携による地域デジタル化のハブを創出・醸成していくのか、地域での試行錯誤、創意工夫が続きそうです。

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