ご家族の健康のために〜住まいの空気環境〜
住まいは暮らしのベース 〜十分な換気で空気をキレイに!〜
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住まいは暮らしのベース
住まいは家族が憩い、成長する暮らしの基盤です。近年、住まいの高気密化にともない、住まいの空気質が問題になることが多くなりました。空気はさまざまな原因で汚染されます。よい空気環境を保つために、なるべく汚染源となるものを持ち込まないことや、換気して常に空気を入れ換えるよう心がけることが大切です。
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空気の汚れの原因
室内の空気は、ホコリなどの浮遊粉塵、燃焼機器からの排気(窒素酸化物など)、建材や生活用品からのホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などによって、汚染されます。
【住まいの空気の汚染源】
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シックハウス症候群
シックハウス症候群とは、建材や家具、生活用品などから放散されるホルムアルデヒドやVOCによって目がチカチカしたり喉が痛くなったりするものです。
近年、ホルムアルデヒドやVOCが原因で、シックハウス症候群が起こることが指摘され、建築基準法でホルムアルデヒドを発散する建材の使用に規制が加えられたり、居室の機械換気設備が義務づけられるなど法律レベルでも取組がはじまっています。
【シックハウス症候群の症状】
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ダイワハウスの取り組み
ダイワハウスでは、早くから住まいのさまざまな建材・施工材から放散するホルムアルデヒドやVOCの低減策に取り組んできました。
ホルムアルデヒドを全く含まないクロス用接着剤、ホルムアルデヒド放散量の最も少ない(F☆☆☆☆)建材、トルエン、キシレンを含まない塗料など、人体に影響を及ぼす可能性のある化学物質をできるだけ削減しています。
施工範囲が広く、室内空気への影響が大きいクロスはゼロホルムアルデヒド接着剤で施工
【ダイワハウスの対策】
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乾燥のし過ぎによる障害
ご入居後の住まい方、暖房設備の使い方によっては、室内が非常に乾燥し以下のような現象が発生する場合があります。
【乾燥のし過ぎによる現象】
- ■クロスジョイント部の剥がれ
- ■建具や造作材のソリ・スキ
- ■壁や床などの下地材の変形、それにともなう内装材のスキ
- ■乾燥肌など人体に関する影響
お部屋の湿度が30%程度以下になると、上記の現象が起こりやすくなります。では、どのような時に「乾燥のし過ぎ」になるのでしょうか。
【乾燥の原因】
- ■生活による湿気の発生が非常に少ない
お二人でお住まいなど、生活にともなう水蒸気の発生が少ない場合。 - ■全館暖房など暖房する空間が大きい
セントラルヒーティング、全館空調を使っているなど、暖房空間が大きいほど、湿度は低くなります。 - ■暖房時の室温が高い
セントラルヒーティング、全館空調、蓄熱式電気暖房、エアコンなどで高めの室温(例:25度以上など)でお暮らしの場合。
【対策】
- ■暖房時の室温を高くしない。(20度程度)
- ■セントラルヒーティングで24時間暖房の場合、夜間の設定温度を生活上支障がない程度に下げる。(例:15度程度)
- ■加湿器の設置、洗濯物を室内に干すなどで室内の湿度を高める。
住まいのVOC対策
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住まいのVOC対策とは
ホルムアルデヒドやVOCは住宅だけでなく、家具や生活用品からも放散します。家具や生活用品の選定に際しては化学物質の含有状況を確認し、また、毎日の生活では、換気を心がけてください。特に家具などを購入する際には、材料仕様のご確認を。また殺虫剤や防虫剤など人体への影響が懸念される生活用品を使用する際には、適量使用を厳守しましょう。換気システムが設置されている場合は、必ず常時作動させてください。
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家具
家具には合板や接着剤、塗料などシックハウス症候群の原因とされる化学物質を含む材料が使われています。また、棚板や引出し、扉があり、意外に多くの材料が使われています。そのためホルムアルデヒドやVOCの放散源となりやすく、住宅と同様に室内空気質への配慮が求められます。購入に際しては、合板やMDFのホルムアルデヒド放散区分を確認し、放散量の少ないものを選びましょう。
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カーテン
特に綿製品などは形態安定のためにホルムアルデヒドが添加されていることがあります。カーテンなどの繊維製品については「遊離ホルムアルデヒド量」という指標があります。メーカーによっては自主基準を設けるなど対策が進みつつあります。できるだけ検出限界値以下(20ppm以下)のものなどホルムアルデヒド量の少ないものを選びましょう。
生活上のVOC対策 〜換気・生活用品〜
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衣類・防虫剤
衣類にも形状安定などを目的にホルムアルデヒドなどの化学物質が含まれているものがあります。衣類用防虫剤はパラジクロロベンゼンやピレスロイドなど人間にも影響を与える物質が使われていることが多いので使い過ぎに注意してください。クローゼットやタンスのある部屋は化学物質の濃度が高くなりやすいので、換気を十分に行ってください。
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殺虫剤、洗剤など
殺虫剤を使用した後は窓を開けて換気してください。殺ダニ剤は部屋のすみずみにまで行き渡り、生活用品などにも付着します。殺ダニ剤の使用はできるだけ控えてください。園芸用・ペット用殺虫剤などはできるだけ戸外で使用しましょう。
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フロアワックス
掃除用の洗剤には化学物質が含まれているものがあります。お掃除の時には十分換気を行ってください。ワックスは有機溶剤を含まない水系ワックスを使用しましょう。
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換気で室内空気を入れ替えましょう
住宅の高気密化によって、汚染された空気がそのまま室内に滞留しやすくなっています。24時間換気は必ず作動させてください。
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窓開け
窓開けによる通風は換気量が多く室内の換気に効果的です。掃除や調理、暖房時など空気汚染が発生しやすいときには、集中的な通風換気を心がけてください。
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24時間換気システム
新築の住宅では、自然換気(目に見えないすき間から出入りする空気による換気)だけでは室内の空気質を保持することが難しく24時間換気システムが設置されています。24時間換気システムは、住まい全体の空気をゆっくりと入れ替えるものです。24時間換気システムは常時作動させることが原則となっています。必ず常時作動をお願いします。
【風なびRシステム概念図】
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サッシ(樹脂製サッシを除く)
1階の引違い窓のサッシには「オートブレス」がついています。窓を閉めているときもこのオートブレスにより外気温度を感知して自動開閉し、適度な換気を行います。また雨の浸入は防ぐ構造になっていますが、強い風雨の際には一時的に「シメ」の状態にすることをおすすめします。
エアコンの運転方法について
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冷やし過ぎによる障害
梅雨・夏時期のエアコンの使い方によっては、室内が非常に低温・高湿になり以下のような現象が発生する場合があります。
【冷やし過ぎによる現象】
- ■クロスの膨れ・剥がれ
- ■家具や置物にカビが発生
- ■天井や壁などに結露・カビが発生
- ■お部屋の湿度が下がらず不快
【原因】
- ■冷房運転時の設定温度が低い(24度以下など)
- ■除湿運転時の室温が低い
室温が低くなってくるとエアコンでは十分に除湿できず室内がジメジメした高湿な環境になることがあります。 - ■エアコンの除湿を繰り返している
エアコンの除湿ボタンを繰り返し押していると、室温が必要以上に下がることがあります。 - ■エアコンの風を壁や天井に向けている
エアコンから吹き出す風は設定温度よりも低いため、壁や天井面がより冷やされてしまいます。
【対策】
- ■冷房運転時の設定温度を高くする(25~28度推奨)
- ■室温が低いときに除湿したい場合は除湿器を使用する
- ■エアコンの風を天井や壁に直接向けない
ダニ・カビ対策
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ダニ・カビ
ダニは温度や湿度に関して人間が好む環境が大好きです。ダニの大量発生を防ぐには、湿度を40%以下にすることと、ダニのエサ(カビ、ホコリ、食べこぼしなど)をこまめに除去することがポイントです。
1週間に一度は徹底した掃除を心がけてください。ふだん掃除機をかける時間は1m2平均4秒程度。ダニの温床となりやすいカーペットや畳部分は特に念入りに、いつもの5倍の時間(1m2あたり20秒)を目安に隅々まで掃除機をかけてください。
掃除機の排気には、ホコリや塵も含まれています。アレルギーが気になる場合には排気が出ないタイプの掃除機を選ぶのが良いでしょう。
コンロなどの汚れは温かいうちに落とすのがコツです。使った後はすぐに拭き取るようにしましょう。
【カビの発生場所】
【カビ・ダニの繁殖しやすい環境】
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湿気・結露
結露は冬場の窓ガラスによく見られる、空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる現象です。加湿器の使用などで結露が発生することがあります。その場合は加湿器のご使用控えて下さい。
浴室、キッチンなど水蒸気が大量に発生する場所では、換気扇を回す、水滴を拭き取ることが効果的です。押入やタンスの裏側は湿気がたまりやすいので、家具を壁から2cm離して置く、押入にはスノコを敷き奥まで風を通すなどの配慮を行ってください。
【結露を防ぐ工夫】
【1時間あたりの水蒸気発生量(g)】
ガスストーブ 500 石油ストーブ 300 調理 700 洗濯物を干す 300 人体 30 -
ふとん干しのコツ
ふとんはダニの住みつきやすいところです。毎日長い時間、直接肌に触れる寝具だから、特にダニやホコリの除去に気をつけてください。
ふとんは、天日干しをしてたたいた後、掃除機で表面に上がってきたダニを吸いとるのがコツです。ふとんのチリダニの量は季節によっても変化します。掛けふとんは秋、敷きふとんは春に大量発生し、夏や冬には少し減るという保健所のデータもありますので、季節によって入念な管理が必要です。
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花粉の時期の天日干し
花粉の飛散時期に天日干しをすると、多い日には1m2あたり1000個以上の花粉がふとんに付着します。花粉の時期には外に干さないほうがよいのですが、干す場合にはカバーを掛けたり、干した後よくたたいて花粉を落として掃除機で花粉を吸い込みます。
洗濯物もふとんと同じように花粉が付着します。室内干しにするか、外に干した場合はよくたたいてからとりこんでください。